スマートフォンの通信費が高いため、通信費を抑えるためにインターネット無料の物件を選ぶ人が増えており、空室対策としてインターネット無料化が注目されています。
この記事では、空室に悩んでいるオーナーに向けて、インターネット無料化を行った場合のメリットとデメリットについて解説します。
インターネット無料化はどういう効果が期待できる?
古い賃貸アパートや賃貸マンションの中には、回線が部屋まで引かれていない物件が多くあります。そのような物件でインターネットの接続を行うためには工事が必要です。部屋まで回線が引かれていたとしても、契約しないと利用できないため、費用と時間がかかります。
しかし、インターネット無料化を導入すれば、入居者はインターネットが契約された状態で住めるため、毎月の費用を抑えられる、契約の手間を省くことが可能です。
そのため、インターネット無料化を実施することで少しでも通信費を抑えたい人の需要が期待できるでしょう。
インターネット無料化のメリットとデメリット
インターネット無料化を実施することで空室対策につながるということは分かりました。しかし、工事を行ったにもかかわらず、効果がイマイチでは費用だけが無駄になります。
インターネット無料化を実施して後悔しないためには、実施するメリットとデメリットを理解しておくことが重要です。
インターネット無料化を実施するメリットとデメリットについて見ていきましょう。
メリット
2019年10月に、全国賃貸住宅新聞社の「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても決まる」人気の設備ランキングTOP10が発表されました。単身者向けとファミリー向けの両方で、インターネット無料が1位を獲得しています。つまり、スマートフォンの通信費高額化を少しでも抑えるために、インターネット無料化を求めている人が多いと言えます。
入居者のニーズに応えてインターネット無料化を実施することで、他の物件との差別化を図ることができるため、入居率アップにつなげることが可能です。
また、インターネットを無料で利用できるという付加価値を理由に、家賃の減額に応じずに済むため、家賃収入の安定化が期待できるでしょう。
デメリット
インターネット無料化の実施には、導入や維持にコストがかかることがデメリットとして挙げられます。マンション経営で1室だけ運用している場合はそこまで大きなコストはかかりませんが、アパート経営の場合は初期費用が50~100万円かかる可能性があるので注意が必要です。
また、入居者がいる場合には家賃収入から毎月の回線の契約料を支払うことができますが、空室の場合には大家さんが身銭を切ることになります。月額1~2万円程度の契約料と言っても、空室で収入が0の状態では負担が大きいと言えるでしょう。
より効果を上げるための3つのポイント
インターネット無料化は入居者ニーズが高いため、空室に悩む大家さんの空室対策としておすすめです。しかし、高い導入費用を支払ったにもかかわらず、入居者募集であまり効果がなければ全く意味がありません。
せっかく費用をかけてインターネット無料化を実施するのであれば、その効果を最大限に発揮できるようにすることが重要です。
より効果を上げるためのポイントとして以下の3つが挙げられます。
- 速度が安定している会社を選ぶ
- 費用と家賃を考慮する
- 専門家に事前に相談する
それぞれのポイントについて見ていきましょう。
ポイント①:速度が安定している会社を選ぶ
インターネット無料化を実施するにあたり、安い料金プランを提供している会社を選ぶと、複数人が利用する時間帯に速度が遅くなる可能性があります。まともに利用できなければ、入居者の不満が募ってトラブルや入居者退去の引き金になる可能性があるので注意が必要です。
そのような状況に陥らないためにも、複数人が利用していても速度が安定している会社を選ぶのがポイントと言えるでしょう。
ポイント②:費用と家賃を考慮する
インターネット無料化を実施した場合、契約料が毎月コストとしてかかります。家賃が据え置きのままだと、家賃を減額したのと収益的には同じなので意味がありません。そのため、インターネット無料化を実施する際は、サービスが拡充されたことを理由に少し家賃を引き上げてコストを補うことをおすすめします。
しかし、家賃を引き上げすぎた場合は、家賃の低い物件に入居希望者が流れてしまうことが注意点として挙げられます。そのため、いくらまで引き上げられるか上限をよく検討してから家賃設定を決めることが重要と言えるでしょう。
ポイント③:専門家に事前に相談する
家賃の上乗せでインターネット無料化のコストを補うことをポイントとして挙げましたが、さじ加減が難しいので注意が必要です。
また、周辺で同じような取り組みを行っている物件があると、差別化を図れないので意味がありません。しかし、不動産会社(管理会社)に相談すれば、周辺の物件状況や適切な家賃設定についてアドバイスをもらうことができます。
また、インターネットに詳しくない人にとって難しい話であるため、インターネット業者に相談してアドバイスを求めるのも方法の1つです。その後の問い合わせに少しでもつなげるためにも、専門家に相談した方が良いと言えるでしょう。
まとめ
賃貸経営を行っていると、築年数の経過とともに空室リスクが高まるため、どのように向き合っていくかを考えておく必要があります。
空室対策には数多くの方法がありますが、入居者のニーズに合っていない方法を選んでも無駄に費用がかかるだけなので意味がありません。インターネットの無料化は人気の設備ランキングで1位となっており、それを提案すれば入居者需要の拡大が期待できます。
しかし、コストがかかるだけでなく、専門的な知識が必要になるという点に注意が必要です。リスクを抑えつつ安定した入居者確保につなげるためにも、事前に専門家に相談してからインターネット無料化を実施しましょう。