株式投資や投資信託、FXといった資産運用は利益が得られるとは限りません。そのため、資産運用を行っても逆に資産を減らす可能性があるので注意が必要です。
マンション経営は安定した家賃収入が期待できるため、他の資産運用と比べるとリスクが低いと言えます。しかし、リスクが低いと言っても何かしらのリスクは伴うため、安定した経営を行うにはメリットとデメリットを事前に把握した上で始めることが重要です。
この記事では、マンション経営のメリット・デメリット、ポイントについて解説します。
マンション経営の5つのメリット
生活費の足しや老後に備えるために、資産運用を検討している人も多いと思います。しかし、資産運用には、株式投資や投資信託、FX、マンション経営など、数多くの種類があるため、どの運用方法を選択すべきか悩んでいる人も多いのではないでしょうか?
資産運用の中には、大きな利益が期待できるものの、利益が得られるとは限らない、反対に大きな損失が生じる可能性の高い運用方法もあります。マンション経営は、入居者がいれば安定した家賃収入が期待できるため、リスクの比較的小さい運用方法と言えます。
しかし、リスクが0というわけではないため、安定したマンション経営を行うためにも、メリット・デメリットの両方を理解した上でマンション経営を始めることが重要です。
マンション経営の主なメリットは以下の5つです。
- 長期的に安定した家賃収入が得られる
- 節税効果が期待できる
- インフレリスクに強い
- 不動産という資産が残る
- 金融機関の融資を利用できる
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
長期的に安定した家賃収入が得られる
資産運用を行うことで得られる利益は、インカムゲインとキャピタルゲインの2種類です。インカムゲインとは、資産を保有することによって安定的・継続的に得られる現金収入です。インカムゲインは確実に収入を得られるものの、得られる収入があまり大きくありません。
キャピタルゲインとは、保有していた資産を手放すことによって得られる利益のことです。キャピタルゲインは得られる収入が大きいものの、確実に得られるとは限りません。
株式投資の配当はインカムゲインですが、平均的な利回りは2%程度で、多くても3ヶ月に1回しか受け取れません。また、配当が付与されると、現金化するために株式を手放す人が増えて株価が下落することも多いため、トータルではあまりプラスにならないことも。
マンション経営の家賃収入もインカムゲインですが、平均的な利回りは新築3~5%程度、中古7~10%程度で、毎月受け取れるのが特徴です。家賃が支払われても、不動産の価値は下落しません。
入居者がいれば、高利回りでの運用が期待できるのがマンション経営の大きなメリットと言えるでしょう。
節税効果が期待できる
マンション経営によって得られた家賃収入は不動産所得として扱われます。不動産所得は給与所得といった他の所得と合算して所得税を算出します。
そのため、収入が増えると税率が高くなる累進課税が適用されている日本では、家賃収入が加わることで多額の税金を納めなければならない可能性があるので注意が必要です。
マンション経営では、経年劣化によって生じる資産価値の減少を減価償却費という経費に計上することが可能です。計上できる減価償却費の年数および金額は、建物の構造によって以下のように異なります。
不動産の構造 | 耐用年数(償却率) |
---|---|
木造 | 22年(0.046) |
鉄骨造(厚さ4mm超) | 34年(0.030) |
鉄筋コンクリート造(RC造) | 47年(0.022) |
例えば、マンションの購入金額のうち建物の金額が4,000万円の場合、47年間1年あたり88万円の経費を計上することが可能です。実際に支出を伴わないため、大きな節税効果が期待できます。
また、相続財産が現金だと評価額が100%になりますが、不動産だと土地が路線価、建物は固定資産税評価額で評価するので100%にはなりません。土地の評価額は時価の70~80%、建物は建築価格の50~70%なので相続税を抑えることが可能です。
マンション経営では、居住用としてではなく、賃貸用として貸し出すため、さらに評価額が低くなります。評価額を3分の1程度まで下げられるため、相続税を抑えたい人に最適な運用方法と言えるでしょう。
インフレリスクに強い
現在の日本はデフレの状況にあります。デフレとは、景気が悪くなって物の価値が下がり、お金の価値が高くなる状況のことです。日本はデフレ脱却に向けて、低金利政策を導入して景気を回復させようとしているため、いずれインフレに向かうことが予想されます。
インフレとは、景気が良くなって物の価値が上がり、お金の価値が低くなる状況のことです。景気が良くなるのはいいことですが、お金の価値が低くなるため、お金のまま持っていても損をすることになります。
マンション経営によって現金を不動産に換えていれば、物の価値の上昇とともに不動産の価値も上がるため、インフレリスクに備えることが可能です。そのため、今後はインフレに向かう可能性が高いことを考えると、現金のまま所有するのではなく、不動産に換えるのも1つの選択肢と言えるでしょう。
不動産という資産が残る
マンション経営や金投資などは、現物資産に対する投資です。そのため、マンション経営や金投資などを行った場合は、不動産や金といった現物資産が必ず手元に残ります。
株式投資や投資信託は、現物資産への投資ではありません。そのため、株式を発行している会社が倒産または上場廃止になった場合や投資信託を行っている会社が倒産した場合には、資産が0になる可能性があります。
現物資産に対する投資は価値が0になることはありません。そのため、投資に失敗しても現物資産を売却すれば初期投資の一部を回収できるため、比較的リスクの低い運用方法と言えるでしょう。
金融機関の融資を利用できる
資産運用は基本的に自分の資産を運用するため、資産運用を行うための資金を金融機関で確保することは基本的にできません。
しかし、マンション経営の場合は、安定した家賃収入が期待できる、購入したマンションが担保になるため、金融機関の融資を利用できるというメリットがあります。
年収や購入する物件によっては融資を受けることができない可能性もありますが、融資を受けることができれば、少ない資金でもマンション経営を始められるでしょう。
マンション経営の3つのデメリット
マンション経営には、多くのメリットがありました。しかし、メリットだけを鵜呑みにしてマンション経営を始めると、デメリットの影響が大きく、経営に失敗する可能性もあるのでデメリットもしっかりと把握しておくことが重要です。
マンション経営の主なデメリットは以下の3つです。
- 空室リスクや家賃滞納リスクを伴う
- 経年劣化による修繕が必要になる
- 自然災害のリスクを伴う
それぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。
空室リスクや家賃滞納リスクを伴う
マンション経営は、安定した家賃収入が期待できるのがメリットの1つですが、必ず家賃収入が得られるとは限りません。入居者の退去によって空室が生じた場合には、家賃収入が得られなくなります。
また、入居者がいても、入居者が家賃を滞納していれば安定した家賃収入が得られないので注意が必要です。
サブリースといった家賃保証が付いているマンションの場合は、空室が生じても安定した家賃収入が得られます。また、家賃の保証会社と契約していれば入居者が家賃を滞納しても滞納分の家賃を回収できるでしょう。
経年劣化による修繕が必要になる
マンション経営では、得られた家賃収入を全て自由に使うことができると思っている人も多いかもしれませんが、全て自由に使うことができるわけではありません。
不動産会社に管理を委託している場合は管理委託費、固定資産税や都市計画税、水道光熱費、修繕費といった費用がかかるため、それらの費用を差し引いた残りのみ自由に使うことができます。
しかし、修繕費は定期的に発生する修繕費もあれば、突発的に発生する修繕費もあるため、万が一に備えて貯めておかなくてはなりません。
新築マンションは初期投資が大きくなる一方、修繕費が発生することはほとんどないため、費用を抑えることが可能です。中古マンションは初期投資を少なく抑えられる一方、修繕が頻発する可能性が高いため、費用が大きくなるというデメリットがあります。
新築マンションもいずれは修繕が必要になってくるため、家賃収入の一部を修繕費として貯めておくことが重要と言えるでしょう。
自然災害のリスクを伴う
日本は地震大国であることに加えて、台風も頻繁に通過するなど、自然災害のリスクと常に隣り合わせにあります。
マンション経営を行っていて自然災害が生じた場合は、部分的な修繕で対応できるような被害であれば経営を継続しながら修繕を行えるため、修繕費の拠出だけで済みます。しかし、被害が大きく、経営の継続が困難な被害の場合には、家賃収入がなくなる、修繕費の拠出も生じるという二重苦になるので注意が必要です。
中古のマンションで耐震性に課題を抱えている場合には、耐震補強することで自然災害のリスクに備えることができます。また、火災保険や地震保険に加入することで、自然災害のリスクに備えることもできるでしょう。
安定したマンション経営を行う3つのポイント
マンション経営のメリットとデメリットを理解しただけでは、安定したマンション経営を行うことはできません。
マンション経営のメリットとデメリットを理解した上で、ポイントを押さえながら経営を行っていくことが重要です。安定したマンション経営を行う上で押さえるべきポイントは以下の3つです。
- 立地条件を考慮する
- 賃貸需要を考慮する
- 新築または中古の特徴を理解する
それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
立地条件を考慮する
マンション経営では安定した家賃収入が期待できますが、どんなマンションでも安定した家賃収入が期待できるわけではありません。
マンション経営は入居者がいて初めて家賃収入を得られるため、入居者が借りたいと思う立地条件を満たしているかどうかが重要です。
例えば、ターミナル駅に近い、最寄駅に近い、周辺にスーパーやコンビニ、ドラッグストア、病院といった日常生活に欠かせない施設が揃っているなどです。
これらの立地条件を満たしているマンションの場合は、安定した家賃収入が期待できると言えます。しかし、上記のような条件を満たしていない場合でも、閑静な住宅街で住環境が優れていれば安定した需要が期待できる可能性があります。
マンション経営を始める際は、駅近の需要が高いのか、住宅街の需要が高いのかをしっかりリサーチしてから始めましょう。
賃貸需要を考慮する
マンション経営を検討している人の中には「少子化で人口が減少している状況を考えるとマンション経営はリスクが高いのでは?」と考えている人も多いと思います。
確かに、少子化の影響を受けて人口が減少しており、需要に対して供給が上回っているのが現状です。しかし、人口は減少しても、世帯数は増加しています。その理由として、未婚の一人暮らしの増加が単身世帯の増加を後押していることが挙げられます。
そのため、現在の賃貸需要を踏まえるとファミリーマンションはあまりおすすめしません。マンション経営を始めるのであれば、賃貸需要に合ったワンルームマンション経営の方が安定した需要が期待できるでしょう。
新築または中古の特徴を理解する
マンション経営を検討している人の中には、新築マンションは初期投資が大きく利回りが低いため、初期投資を抑えられて利回りの高い中古マンションを購入しようと考えている人も多いのではないでしょうか?
初期投資と利回りという点では、新築マンションよりも中古マンションが優れていますが、失敗を未然に防ぐにはそれ以外の点もしっかりと比較することが重要です。新築と中古のメリットとデメリットをまとめると以下の通りです。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
新築マンション | ・新築需要が期待できる ・修繕費があまりかからない |
・初期投資が大きい ・利回りが低い |
中古マンション | ・初期投資が小さい ・利回りが高い |
・家賃下落が生じる ・修繕費が多くかかる |
新築マンションは、新築というだけで需要が期待できるというメリットがあります。また、修繕費があまりかからないため、家賃収入のほとんどが利益になります。一方、初期投資が大きいにもかかわらず、得られる家賃収入は限られるため、利回りが低いのがデメリットと言えるでしょう。
中古マンションは、初期投資が小さいため、利回りが高くなるというメリットがあります。そのため、初期投資をスムーズに回収しやすいと言えます。一方、築年数の経過による家賃設定の見直しで収入が減少する、修繕費が多くかかるのがデメリットと言えるでしょう。
どちらが良いとは言い切れませんが、何も考えずにマンションを選ぶのではなく、これらの違いをよく理解してから選べば、マンション経営のリスクを少しは抑えられるでしょう。
まとめ
マンション経営は安定した家賃収入が期待できるため、株式投資や投資信託といった他の資産運用よりリスクが低いと言えます。しかし、リスクが低いと言っても0ではないので注意が必要です。
マンション経営のリスクを抑えるには、メリットとデメリットをよく理解しておくことが重要です。メリットとデメリットをよく理解した上で、ポイントを押さえながらマンション経営を始めれば、リスクを抑えながら安定した経営を行うことができるでしょう。