マンションやアパートといった物件を所有して不動産投資を行っているオーナーにとって重要な空室対策。空室期間が長くなるとその間の家賃収入が得られないため、入居希望者を早く確保する必要があります。そこで有効なのがPOPを活用するという方法です。
この記事では、空室対策に悩んでいるオーナーに向けて、POPを使った手軽に取り組める空室対策について解説します。
POP(ポップ)はどういう効果が期待できる?
POP(ポップ)とは、入居者を募集している空室に付箋などを貼って、内覧に来た人たちに部屋のどこがおすすめポイントなのかを分かりやすく伝える方法です。
家電量販店やスーパーでは、商品の広告でPOPを用いています。POPといった資格情報が何もない状態では、自分で情報を取得しなければならないため、商品の印象が残りません。
しかし、POPという工夫を行うことで、その商品の良さが相手に伝わりやすくなるため、契約に至る可能性が高いと言えます。
内覧の際に、仲介会社が入居希望者に部屋を紹介する際に貼るPOPにも、それらと同様の効果が期待できます。POPでアピールポイントを強調すれば、成約率の上昇が期待できるでしょう。
POPのメリットとデメリット
空室対策には、リフォームやリノベーション、敷金・礼金0円など様々な方法があります。空室対策を行ったものの、思ったような効果が得られないことがないように、各空室対策のメリットとデメリットを確認しておくことが重要です。
POPが有効であることは分かりましたが、POPを活用することにはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
POPのメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。
メリット
この方法の最大のメリットは、付箋などを部屋に貼るだけで済むという手軽さにあります。自主管理のオーナーがPOPを活用すると、POPがカンニングペーパーの役割を果たすため、アピール不足による入居者の獲得失敗を防ぐことが可能です。
また、管理委託のオーナーの場合、自分で用意したPOPを管理会社に貼ってもらうだけで済むので手間と時間を省くことができます。
リフォームや内装変更といった設備投資を空室対策として選んだ場合は、100万円以上の費用がかかる可能性があります。しかし、POPだと紙代だけで済むため、1,000円以内に費用を抑えることも可能です。
空室に何らかの空室対策を行わなくてはならないものの、なるべく費用を抑えたいという大家さんにおすすめの空室対策と言えるでしょう。
デメリット
POPは手軽に取り組める空室対策ですが、手軽に取り組めるからと言って、部屋の隅々にPOPを貼っては意味がありません。
「部屋をアピールするには、アピールする箇所全てにPOPを貼らなければ意味がない」と考えているオーナーも多いと思います。
しかし、それはあくまでもオーナー都合で、内覧に来た人からすれば、POPが多過ぎると鬱陶しく感じられるのがデメリットと言えます。
また、誰でも手軽に取り組めるため、他の物件との差別化という点では効果が弱く、あまり空室対策につながらない可能性が高いこともデメリットの1つと言えるでしょう。
より効果を上げるための3つのポイント
POPの効果を最大限に発揮するには、POPのメリットを活かしながらデメリットの対策を練ることが求められます。POPの効果をより上げるためのポイントとして、以下の3つが挙げられます。
- 何をアピールするのか厳選する
- 他の空室対策との併用を考える
- 専門家に事前に相談する
それぞれのポイントについて詳しく解説します。
ポイント①:何をアピールするのか厳選する
POPを作成する際は何でもPOPにすればいいというものではありません。POPがなければ気づかない点や特にアピールしたい内容を厳選することが重要です。
POPの適正な枚数は部屋の大きさによって異なるため、まずは部屋にPOPを貼ってみて、どのくらいの枚数であれば違和感がないかを考えます。
5枚程度であれば鬱陶しく感じないという結論に至った場合、いくつかアピールポイントを書き出し、その中から厳選します。そうすれば、内覧に来た人に情報が的確に伝わるため、契約に至りやすいでしょう。
ポイント②:他の空室対策との併用を考える
POPは誰でも手軽に行える空室対策なので、他の物件でも同様にPOPが貼られる可能性が高く、差別化を図りにくいと言えます。
POPだけでは空室対策としての効果が強いとは言えません。そのため、内装変更の箇所をPOPでアピールするといったように、他の空室対策との併用することをおすすめします。
特に内装変更やリフォームにPOPを組み合わせると、内装時に変化が伝わりやすいため、相乗効果が期待できるでしょう。
ポイント③:専門家に事前に相談する
アピールポイントを絞ると言っても、なかなか絞り切ることができないオーナーも多いと思います。絞り切ることにこだわり過ぎると、本来は絞る必要のない情報まで絞り、無駄なアピールで内覧が失敗に終わる可能性もあるので注意が必要です。
失敗は空室期間の長期化につながるため、失敗を未然に防ぐためにも事前に専門家である管理会社に相談することをおすすめします。管理会社に相談すれば、何をアピールすべきかアドバイスをもらうことができます。
また、どの空室対策と併用することでよりPOPの効果を高められるかというアドバイスも得られるため、POPの効果を最大限に高めることができるでしょう。
まとめ
空室対策には様々な方法があります。しかし、費用が多くかかるものもあり、簡単には取り組めないものもあるため、その中から状況に応じて選ばなくてはなりません。
POPには、付箋などを貼るだけなので、手間と時間、費用を大きく抑えられるという他の空室対策にはない大きなメリットがあります。しかし、POPそのものの空室対策の効果は弱く、数を増やしたくても鬱陶しく感じられるというデメリットがあります。
POPはほとんど費用を拠出しないため、空室対策にあまり費用をかけたくないという人におすすめです。そのままではPOPの効果が弱いため、POPの効果を高めるためにも、どのアピールポイントに絞るか、どの空室対策と組み合わせればいいのかなど、事前に専門家に相談してから実施しましょう。