マンション経営で節税できるという噂を聞いて、本当に節税できるか気になっている人も多いと思います。
節税効果を期待してマンション経営を始めたものの、節税効果が期待できなかった場合は意味がありません。
この記事では、本当にマンション経営で節税できるのか、不動産投資と節税の関係について解説します。
不動産投資に関係する税金とは?
働いて得られる給料には所得税、物を購入する際は消費税といったように、日々の生活には何らかの形で税金が関係する場面が数多く見られます。
不動産投資を行う場合にも、いくつか税金が関係します。税金は、不動産所得を減少させる要因の1つでもあるため、どのような税金が不動産投資に関係しているのかをあらかじめ確認しておくことが重要です。不動産投資に関係する税金は主に以下の3つです。
- 固定資産税
- 所得税
- 相続税
固定資産税とは、不動産を保有している人に課される税金です。いくら賃貸用の不動産でも所有者は貸主であるため、不動産の所有者として固定資産税を納めなくてはなりません。
所得税とは、収入に対して課される税金です。不動産投資で得られる収入は、不動産所得に分類されます。給与所得といった他の所得と合算して、総額に対して税金が課されます。
相続税とは、被相続人が亡くなった場合、相続人が取得する相続財産に対して課される税金です。不動産投資の場合は、所有者が亡くなった際に相続される賃貸住宅に対して相続税が課されます。
マンション経営には節税効果というメリットがある
不動産投資に関係する主な税金について説明しましたが、これらの税金は全てマンション経営を行うことで節税することが可能です。
では、マンション経営を行うことによって具体的にどのような節税効果が期待できるのでしょうか?各税金で期待できる節税効果について詳しく見ていきましょう。
固定資産税の節税効果
賃貸住宅は借主が利用するもので、不動産の所有者の利用が制限されることから、居住用の不動産よりも固定資産税が低くなります。
建物の固定資産税評価額は居住用の7割程度、土地は借地権割合によって異なりますが、建物と同様に大幅に固定資産税を軽減できます。
所得税の節税効果
不動産所得は、不動産投資の経費を計上することが可能です。例えば、不動産会社に支払う管理委託費、所有している土地や建物に対して発生する固定資産税、建物の経年劣化による資産価値の目減りである減価償却費などです。
不動産投資の経費を計上して不動産所得をマイナスにすれば、他の所得と合算することで所得税を少しでも抑えることができます。
相続税の節税効果
相続税は相続財産によって評価額が異なります。現金を相続する場合は評価額が100%になります。
しかし、不動産を相続する場合は評価額が土地は8割程度、建物は7割程度です。さらに賃貸住宅の場合には評価額が低くなるため、少しでも相続税を抑えたい場合は、現金よりも賃貸住宅として相続することがおすすめです。
節税対策における3つの注意点
マンション経営による節税効果が正しいということが分かったところで、早速マンション経営を始めようと考えている人もいるのではないでしょうか?しかし、マンション経営は資産運用の1つで、リスクを伴うという点に注意が必要です。
マンション経営は節税対策になりますが、節税対策のためにマンション経営を行うことはおすすめしません。その理由として以下の3つの注意点が挙げられます。
- 空室が生じると返済だけが残る
- 所得税の節税効果は限界がある
- 資産価値が下がる可能性がある
それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。
注意点①:空室が生じると返済だけが残る
マンション経営を始める際はマンションを購入する必要があります。しかし、マンションは高額であるため、自己資金だけでは不足することからローンを契約するのが一般的です。
ローンの返済は家賃収入から行っていきます。入居者がいる間は問題なく返済できますが、空室が生じると家賃収入からの返済ができません。そうなった場合、給与や貯金から返済を行わなくてはならないといったように、返済計画に支障が生じるので注意が必要です。
注意点②:所得税の節税効果は限界がある
マンション経営では、経費を計上することで所得税の節税効果が期待できますが、所得税の節税効果にはある程度の限界があります。
所得税の節税効果を少しでも高めるには、計上する経費を増やす必要があります。しかし、経費を増やすということは支出が増えることなので、あまり意味がありません。
減価償却費という支出を伴わない経費を計上できる期間が終わると、所得税の節税効果はほとんどないと言えるでしょう。
注意点③:資産価値が下がる可能性がある
1億円の現金をそのまま持っていれば、物の価値が上がってお金の価値が下がるインフレが生じない限り、現金の価値が下がるということは基本的にありません。
しかし、マンション経営を始めるために購入したマンションは、経年劣化による資産価値の減少、需要の低下による資産価値の減少など、価値が下がる可能性が高いと言えます。
マンション経営によって期待できる節税額と資産価値の減少額を比べた際に、資産価値の減少額の方が大きかった場合には、マンション経営を行う意味がありません。
そのため、マンション経営を節税目的で行う際は、なるべく資産価値の下がりにくい需要の高い不動産を選ぶことが重要であると言えるでしょう。
まとめ
マンション経営に節税効果が期待できるということは間違いではありません。しかし、節税効果を目的としてマンション経営を始めることは多くのリスクを伴うので注意が必要です。
例えば、マンションに空室が生じた場合は、マンションを購入した際のローンの返済を家賃収入では補えなくなります。給与や貯金からローンの返済を行わなくてはならず、それすらできなくなった場合には、マンションを手放さなくてはなりません。
そのような事態に陥らないためにも、節税目的だけでマンション経営を始めるのではなく、しっかりと専門家に相談しながら資産運用としてマンション経営に取り組みましょう。