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マンション経営は、株式投資や投資信託、FXといった資産運用の1つです。固定資産税や都市計画税、相続税の対策になる、安定した家賃収入が期待できるなどの理由でマンション経営に興味を抱いている人も多いのではないでしょうか?

しかし、マンション経営はいくつかリスクを伴うため、経営を開始してから後悔することを未然に防ぐためにも、リスクを理解して事前に対策を練っておくことが重要です。

この記事では、マンション経営で陥りがちなリスクと対策を分かりやすく解説します。

マンション経営で陥りがちな6つのリスク

マンション経営は安定した家賃収入が得られるため、老後の私的年金代わりになるというメリットがあります。
また、固定資産税や都市計画税、相続税の節税効果が期待できるというメリットもあるため、マンション経営に興味を抱いている人も多いと思います。

上記以外にもマンション経営にはメリットが多数あるため、マンション経営はおすすめの資産運用の手段と言えますが、資産運用である以上は何かしらのリスクを伴うので注意が必要です。

マンション経営での失敗を未然に防ぐには、陥りがちなリスクをよく理解した上で、事前に対策を練っておく、リスクが気になる場合には他の資産運用に切り替えることが重要です。マンション経営で陥りがちなリスクとして以下の6つが挙げられます。

  • 空室で安定した利益が得られない
  • 家賃が下落して安定した利益が得られない
  • 築年数の経過とともに修繕費が増える
  • 火災や地震などの自然災害に遭遇する
  • 周辺環境の変化による影響を受ける
  • 金利の上昇で返済負担が増える

それぞれのリスクについて詳しく見ていきましょう。

空室で安定した利益が得られない

マンション経営は安定した家賃収入を期待できるのが魅力の1つです。しかし、安定した家賃収入を得られるかどうかは、入居者がいるかどうかにかかっています。

入居者がいる間は安定した家賃収入を得られますが、空室が生じた場合は家賃収入が減少または0になります。

マンションの1室だけを購入して運用するようなマンション経営の場合、空室が生じると家賃収入がなくなるので注意が必要です。また、入居者がいても家賃を滞納している場合は、安定した収入が得られなくなるという点にも注意しましょう。

家賃が下落して安定した利益が得られない

マンション経営を始めた場合、購入当時の家賃収入を安定して得られると思っている人も多いのではないでしょうか?

しかし、築年数の経過や周辺相場、市場動向を踏まえつつ家賃設定を見直す必要があるため、いつまでも同じ家賃設定というわけにはいきません。

空室が目立ってきた場合は、空室を少しでも埋めるために家賃設定を引き下げて入居者を募集することになります。

しかし、家賃設定を一度下げた場合は、その入居者が退去するまでは引き下げた家賃設定を維持しなければなりません。キャッシュフローが悪化した場合、安定したマンション経営が困難になる可能性もあるので覚えておきましょう。

築年数の経過とともに修繕費が増える

マンションの1室を購入して運用する場合、毎月管理費と修繕積立金の負担が生じます。管理費は日々のマンションの維持管理に備えるもので、修繕積立金は12~15年に1回の頻度で行われる大規模修繕工事に備えるものです。

修繕積立金は、最初は低く設定されていても、築年数の経過とともに費用が大きくなるため、徐々に設定が高くなるのが一般的です。そのため、築年数の経過とともに支出が増えるのが大きなデメリットと言えます。

マンションを1棟購入して運用する場合、修繕を行うかはマンションのオーナーが自由に決めることが可能です。そのため、強制的に修繕が行われる1室だけの運用よりも支出をコントロールしやすいと言えます。

しかし、適切な修繕を行わなかった場合には、劣化によって資産価値が低下する、入居者の退去につながる可能性があります。そのため、どちらにしてもマンション経営では築年数の経過とともに修繕費が増える可能性が高いので注意しましょう。

火災や地震などの自然災害に遭遇する

日本は地震大国であるため、マンション経営を行う際は地震による影響を受けるリスクと常に隣り合わせにあります。火災は自然災害と内側からの人災によるものに分かれますが、地震と同様にどちらもマンション経営に大きな影響を与えます。

影響が軽微だった場合には、影響を受けた部分の修繕を行いながら経営を継続することが可能です。しかし、倒壊や全焼など影響が重大だった場合には、建て直しが必要になるので再建費用が重くのしかかることになります。

火災や地震などの自然災害に遭遇した場合、マンション経営の継続が困難になる可能性も十分にあり得るので注意が必要です。

周辺環境の変化による影響を受ける

マンション経営では、安定した入居が期待できる周辺環境の整ったマンションを選ぶのが一般的です。例えば、駅からの距離が近い、規模の大きな企業や大学が近いなどです。

しかし、規模の大きな企業や大学に近いという条件は、需要が偏り過ぎてしまいます。もし企業や大学が移転、閉鎖した場合には、その後の需要が期待できなくなる可能性もあるので注意が必要です。

マンション経営を始めた当初は安定した需要が期待できていても、周辺環境の変化による影響を受けて経営が不安定になるリスクを抱えていることを覚えておきましょう。

金利の上昇で返済負担が大きくなる

マンション経営を始める際は、まずはマンションを購入する必要があります。マンションを購入する際には、自己資金だけでは購入資金が足りないため、金融機関の融資を受けるのが一般的です。

居住用の不動産の購入では住宅ローンを利用できますが、投資用の不動産の購入では利用できません。そのため、マンション経営では不動産投資用のローンを契約しますが、不動産投資用のローンは変動金利が採用されているのが一般的です。

変動金利は低金利の状況では返済総額を少なく抑えられるというメリットがありますが、途中で金利が上昇すると返済総額が増えるというデメリットがあります。

金利が上昇して返済負担が大きくなった場合は、支出と収入のバランスが崩れて安定したマンション経営が困難になる可能性もあるので十分に注意しましょう。

マンション経営のリスクを抑える6つの対策

悩む女性
マンション経営には、上記6つの陥りやすいリスクがありました。これらのリスクは何も備えていなければ影響を大きく受けてしまいますが、リスクを踏まえた上で事前に対策を練っておけば、ある程度リスクを軽減することが可能です。

マンション経営のリスクを抑える対策として、以下の6つが挙げられます。

  • 空室対策をしっかり練っておく
  • 適切な修繕で家賃下落を防ぐ
  • 資金管理をしっかり行う
  • 保険の加入や耐震補強工事を行う
  • 利回りだけでなく需要を考慮しながらマンションを選ぶ
  • ローンプランをよく考えてから契約する

それぞれの対策について詳しく見ていきましょう。

空室対策をしっかり練っておく

マンション経営で空室のリスクを少しでも防ぐには、なるべく空室を生じさせない、空室が生じても入居者に選んでもらいやすい環境を整えるなど、空室対策をしっかり練ることが重要です。

入居者が退去すると、そのあとすぐに入居者が現れるかは分かりません。そのため、新規に入居者を探すことに注力するよりも、まず退去を防ぐ方向に注力した方が良いと言えます。

例えば、入居者の退去理由が家賃の高さが原因の場合には多少値下げに応じてみる、設備の古さが原因の場合には設備を新しいものに取り換えを提案するなどです。それでも効果が得られなかった場合は、空室期間をなるべく短く済ませられる空室対策に移行します。

例えば、敷金や礼金を引き下げる、修繕を行って部屋をきれいにするなどです。そのような空室対策を事前に練っていれば、空室が生じた場合でも速やかに対応できるでしょう。

適切な修繕で家賃下落を防ぐ

需要が安定して確保できているマンションでは、家賃設定を下げる必要はありません。家賃設定を下げなければならないのは、空室が目立つようになって他の物件との差別化を図る必要が生じた場合のみです。

適切な修繕を行ってマンションをきれいな状態に維持していれば、家賃下落を防ぐことが可能です。また、一度家賃設定を引き下げて新規に入居者が見つかった場合、その入居者が退去するまでは家賃設定を引き上げることができません。

安易に家賃設定を下げると、継続的な収入減少につながるため、敷金や礼金を引き下げる、修繕を行って部屋をきれいにするなど、他の対策を先に講じてから家賃設定の引き下げに移行しましょう。

資金管理をしっかり行う

マンション経営を行っている人の中には、得られた家賃収入を全部自分の自由に使えると思っている人も多いと思います。

しかし、マンション経営によって得られた家賃収入からは、不動産会社に支払う管理委託費、固定資産税や都市計画税、水道光熱費などの税金や費用が差し引かれます。それらを引いて残った分は自由に使えますが、それを使い込むと将来の修繕に備えることができません。

適切な修繕を行っていれば、急に修繕が必要になって費用を支払うことができないというトラブルを未然に防ぐことが可能です。しかし、いくら適切な修繕を行っていても突発的な修繕が必要になる可能性があります。

トラブルが生じても落ち着いて対応できるように、普段から修繕費用を貯めておくことが安定したマンション経営を行っていく上で重要と言えるでしょう。

保険の加入や耐震補強工事を行う

マンション経営では、いつ起きるのか分からない自然災害のリスクに完全に備えることはできません。しかし、火災保険や地震保険に加入する、耐震性に不安を抱いている場合には耐震補強工事を行うことで、少しは自然災害リスクを抑えることが可能です。

火災保険や地震保険は自然災害でマンションがダメージを受けることは阻止できませんが、万が一ダメージを受けても修繕費用を保険金で補うことができます。また、耐震補強工事はマンションの耐震性を向上させることで、自然災害でマンションが受けるダメージを多少軽減することが可能です。

火災保険は必要ないので地震保険だけ加入したいと思っている人もいるかもしれませんが、地震保険は火災保険の付帯保険となっていて単独で加入できないので注意しましょう。

利回りだけでなく需要を考慮しながらマンションを選ぶ

マンション経営を行う際は、利回りを意識しながらマンションを選ぶ人が多いと思います。利回りの高いマンションは、投資を速やかに回収できるため、利回りの低いマンションより利回りの高いマンションの方が良いと言えます。

しかし、利回りの高いマンションが良いとは言い切れません。利回りの高いマンションは、築年数がかなり経過しているケースが多く、購入後に修繕費がかかって予定よりも実際の利回りが大幅に下がる可能性があります。

また、利回りの高いマンションは何らかの原因が潜んでいて、それを隠すために売出価格を低く設定している可能性も。

マンションを選ぶ際は、単純な利回りや現在の需要だけでなく将来の需要も考慮しながらしっかりと選ぶことが重要と言えるでしょう。

ローンプランをよく考えてから契約する

不動産投資用のローンの中には、変動金利だけでなく、固定金利と変動金利が混在しているローンなど金融機関ごとにローンプランが異なります。

そのため、不動産投資用のローンを契約する際は、どのようなローンプランがあって金利が変動した場合にどのような影響があるのかよく理解してから契約した方が良いと言えます。

また、できる限り自己資金を抑えたいと考えている人も多いと思いますが、ローンの割合を増やすと金利変動の影響を大きく受けるので注意が必要です。

安定したローン返済を継続する、金利変動の影響を軽減するために、自己資金をできる限り多く拠出して、ローンの割合を減らすことをおすすめします。

マンション経営を始める際に押さえるべきポイント

安定したマンション経営を行うためには、マンション経営のリスクを踏まえた上で事前に対策を練ることが重要でした。しかし、これだけでは安定したマンション経営を行えるとは言い切れません。

安定したマンション経営を行うためには、安定した経営が期待できるマンションと的確なサポートを行ってくれる不動産会社を選ぶことも重要です。

最後に、物件選びと不動産会社選びのポイントを詳しく見ていきましょう。

物件選びのポイント

マンション経営を行う場合は、以下の3つのポイントに該当するマンションをおすすめします。

  • 立地条件が優れている
  • 築年数が浅い
  • 利回りが高い

立地条件の良いマンションとは、最寄りの駅まで5分以内、ターミナル駅へのアクセスが優れているなどです。また、周辺にスーパーやドラッグストアなどの日常生活に欠かせない施設が揃っている場合や治安が良い場合も立地条件が優れていると言えます。

築年数が浅いマンションは、物件価格が高く、家賃相場が下がりやすい、利回りが低いなどデメリットが多いと考えている人も多いと思います。しかし、ランニングコストが少なく、築年数が浅いという理由だけで需要が期待できることも。そのため、築年数という点では、築古より築浅の方がおすすめです。

利回りが高いマンションは収益性が高いと考えられるため、利回りが低いマンションより安定した経営が期待できます。しかし、築年数の経過しているマンションや何らかの原因が潜んでいるマンションでは利回りが高くなるケースが多いため、総合的に判断することが重要と言えるでしょう。

不動産会社選びのポイント

不動産会社は、マンション選びのサポートやマンション経営の管理を代行してくれるなど、マンション経営成功の鍵を握る重要な存在です。そのため、不動産会社を選ぶ際は、以下の3つのポイントを押さえながら選ぶことが重要です。

  • 提案力がある
  • 実績が豊富である
  • 対応が早くて丁寧である

マンション経営を始める目的は、オーナーによって異なります。それらの目的をしっかりと踏まえながらオーナーの目的に合うマンションを提案してくれる不動産会社を選ぶことが重要です。

また、マンション経営の実績豊富な不動産会社に相談または管理を依頼すれば、これまでの経験を踏まえた的確なサポートを受けられます。これだけでもマンション経営のリスクを大幅に抑える効果が期待できるでしょう。

マンション経営では、速やかな対応が求められる場面も多くあります。不動産会社の対応が早くて丁寧であれば、そのような場面が到来してもトラブルを最小限に抑えてくれるため、安定したマンション経営を行いやすいと言えるでしょう。

まとめ

安定した家賃収入が期待できることから、マンション経営に興味を持っている人も多いと思います。しかし、マンション経営にはリスクも伴うため、マンション経営を始めたことを後悔しないためにも、どのようなリスクを伴うのか把握しておくことが重要です。

リスクを伴うと言っても、回避できないわけではありません。リスクを踏まえた上で対策をしっかり練れば、リスクを抑えながら安定したマンション経営を行うことが可能です。

この記事には、マンション経営のリスクと対策、マンション経営で押さえるべきポイントをまとめています。記事内容をよく確認してからマンション経営に取り組むことで、リスクを抑えながら安定したマンション経営を行えるようになるでしょう。

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