電卓と紙幣

マンション経営やアパート経営といった不動産投資が相続税対策になるという話を聞いて、興味を持った人も多いと思います。本当に節税効果が期待できるのでしょうか?この記事では、少しでも相続税を抑える方法がないか悩んでいる人に向けて、不動産投資と相続税の関係について解説します。

マンションの相続税とは?

相続税とは、相続財産を有している人が亡くなった場合に、配偶者や子、孫などの相続人が相続財産を引き継ぐ際に課せられる税金です。相続税は必ず全員に課せられるわけではありません。現金や土地・建物といった相続財産の評価額を計算して、そこから基礎控除を引いて残った場合のみ相続税が課されます。

基礎控除によってこれまで課税対象となる人は少なかったのですが、2015年1月1日の税制改正で基礎控除額が40%減額されたため、課税対象となる人が増えました。そのため、相続税を少しでも抑えるために相続税対策が必要とされています。

マンション経営による相続税の節税効果

お金を相続する際は評価額が100%となりますが、株式といった有価証券を相続する際の評価額は相続が発生した時点の時価が適用されます。不動産も相続が発生した時点の資産価値に基づいて評価額を求めますが、他の相続財産と異なり、相続税の節税効果が期待できます。具体的にどのようなケースで相続税の節税効果が期待できるのか詳しく見ていきましょう。

現金で相続するよりも大幅な節税効果が期待できる

土地の評価額を決める際は路線価を用います。路線価とは、国土交通省の定める公示価格の8割程度を目安に専門家が評価した土地の価格です。建物の評価額を決める際は固定資産税評価額を参考にしますが、取得時の価値と比べると約6割低くなります。現金として相続した場合には評価額100%になりますが、不動産として相続した場合には評価額が100%から低くなるため、大幅な相続税の節税効果が期待できます。

居住用マンションからの切り替えは相続税の節税効果あり

先ほどの説明は居住用の物件を相続した場合でしたが、自分の居住用として暮らしていた物件を賃貸用に切り替えて相続した場合には、さらに相続税の節税効果が期待できます。建物の評価額は貸し付けているという理由で固定資産税評価額が30%下落。

一方、土地の評価額は貸家建付地という理由で路線価が約20%下落します。仮に5,000万円の土地に5,000万円の物件を建てて賃貸経営していた場合に、その物件を相続すると評価額は以下のような計算方法になります。

  • 土地:5,000万円×0.8×0.8=3,200万円
  • 建物:5,000万円×0.6×0.7=2,100万円

各評価額を合算すると5,300万円です。条件を満たしている土地の場合、一定の範囲まで小規模宅地等の特例を利用できるため、さらに相続税を節税できます。計算方法を覚える必要はありませんが、賃貸経営が相続税対策になるということは覚えておきましょう。

相続税の節税対策における3つの注意点

見学
不動産投資には、相続税の節税効果があるというメリットがありました。しかし、相続税の節税目的で不動産投資を始める際は、以下の3つの点に注意が必要です。

  • 資産価値が減少する可能性がある
  • 相続時精算課税制度の方が良いケースもある
  • 専門家に相談した方が良い

それぞれの注意点について詳しく見ていきましょう。

注意点①:資産価値が減少する可能性がある

少子高齢化によって不動産の需要が低下した場合、資産価値が減少する可能性があります。節税効果以上に資産価値が下落すると、節税目的で不動産投資を始めた意味がありません。そのため、不動産投資を始める際は以下のような条件の物件を選ぶことがポイントです。

  • 駅から近い
  • ターミナル駅へのアクセスが良い
  • 人口が多い

このような立地条件の良い物件を選んで不動産投資を始めれば、資産価値の下落を多少は抑えられるでしょう。

注意点②:相続時精算課税制度の方が良いケースもある

相続時精算課税制度とは、生前贈与の1つです。通常生前贈与を行った場合は、贈与税が課されますが、相続時精算課税制度を利用すれば贈与税が課されません。贈与した財産は、相続が生じた際に他の相続財産と合わせて相続税が課されます。再開発や需要の増加などを理由に、資産価値が向上しているエリアがあります。

仮に、贈与時の資産価値が3,000万円だった物件が相続時に5,000万円になっていると、5,000万円を基準に相続税を納めるのが一般的です。しかし、相続時精算課税制度では、贈与時の資産価値である3,000万円を基準に相続税を納めるため、相続税の節税効果が期待できます。

ただし、資産価値が上がるとは限りません。また、2,500万円以上は一律20%の贈与税が課されるため、本当に節税になっているのかをよく考えてから利用しましょう。

注意点③:専門家に相談した方が良い

相続税の節税対策を考えている人に不動産投資は選択肢の1つと言えますが、資産価値が下がるリスクを伴っているということを忘れてはなりません。また、空室が生じると安定した家賃収入が得られないため、ローンを契約していれば返済が困難になる、修繕費や固定資産税などの費用を負担できなくなるので注意が必要です。

相続時精算課税制度を利用して生前贈与すべきか、そのまま相続まで所有すべきなのかの判断も不動産投資初心者には容易ではありません。相続税対策で不動産投資を始めてから後悔しないためにも、不動産会社や税理士といった専門家に相談しながら決めましょう。

まとめ

相続税の基礎控除額の減額によって、相続税の課税対象となる人は増えています。そのため、少しでも相続税を抑えるために、不動産投資に興味を持っている人は多いと思います。現金ではなく投資用不動産を相続すれば、相続税評価額を大幅に下げられるため、相続税を節税することが可能です。

しかし、相続税の節税目的で不動産投資を始めても、資産価値が下がれば意味がありません。また、相続時精算課税制度を利用した方が良いケースもあるので注意が必要です。専門家に相談するといったように、相続税対策への最適な選択ができているのかどうかを確認してから始めましょう。

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